“ウルトラマン”の異名を持つ、カルトな人気を誇るオメガ「スピードマスター」

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第4回は、オメガ「スピードマスター」Ref.ST145.012-67SPの“ウルトラマン”を紹介する。
価格上昇の傾向にあるオメガの傑作クロノグラフ
“ムーンウォッチ”のニックネームで親しまれている世界で最も有名なクロノグラフのひとつに数えられるオメガの「スピードマスター」。2022年に発表されたスウォッチとのコラボレーションによる「ムーンスウォッチ」が、世界各国で行列を作るほどの熱狂的なブームを巻き起こしたことも記憶に新しい。
「スピードマスター」はヴィンテージウォッチの世界でも絶大な人気があり、最近では店頭で見かける機会がめっきり減ったと感じている方も多いだろう。実際のところ、整った個体を見つけるハードルは年々上がっている。
価格も上昇傾向にあり、2011年11月に開催されたフィリップス主催の時計オーションでは、ファーストモデルのRef.CK2915-1のトロピカルダイヤルが、「スピードマスター」では史上最高額となる311万5,500スイスフラン(約3億8,700万円)で落札されたことが大きな話題を呼んだ。
オレンジのクロノグラフ針を持つレアモデル
ヴィンテージに該当する「スピードマスター」の中でも人気が集中しているのは、時計師アルバート・ピゲがレマニア社に在籍していた頃に開発した手巻きムーブメントCal.321を搭載するRef.ST145.012-67SPまでのモデルだと思われる。
ここで紹介する1968年に製造されたRef.ST145.012-67SPは“ウルトラマン”という異名を持ち、カルトな人気を誇っている。
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オメガ
スピードマスター プロフェッショナル
Ref.ST145.012-67SP(1968年製造)
42mm径
手巻き(Cal.321) 商品の詳細はこちら≫
この呼び名の由来は、オレンジのクロノグラフ針の色にある。TBSの特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』で怪獣攻撃隊MATが着ていた制服がオレンジであったことに加え、番組内で隊員がこの時計を着用していたことから、コレクターの間でこのように呼ばれるようになった。
- オレンジのクロノグラフ針の有無で印象は様変わりする。
時計のオリジナリティやコンディションについて説明しよう。「スピードマスター」に限らず、オメガのヴィンテージウォッチを購入する上での重要なパーツとして挙がるのが、ブレスレットである。この個体については、年代の合うRef.1039/516のブレスレットが装着されていて、後から探すのが難しいことを踏まえると、かなりポイントが高い。
- 年々希少価値が高まっている通称“キャタピラブレス”。
- ケースバックには、オメガのアイコンである「シーホース」のマークが刻印されている。
Ref.ST145.012-67SPの特徴である左右非対称のケースは極端な研磨が見られず、元のケースフォルムを十分に維持している。一方、針やインデックスの夜光は傷んでいるが、その分だけ価格は抑えられている。
ご覧のように、ヴィンテージウォッチは必ず個体差が生まれることから、たとえ同じリファレンスであってもふたつと同じものがない。それゆえ、一期一会の出合いを大切にしながら収集する必要がある。なかなか実機がお目にかかれない「スピードマスター」のレアモデルをこの機会にぜひチェックしてほしい。
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