ブルガリ オクト フィニッシモ 限定モデル3選

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第26回は、3本の特別な「ブルガリ オクト フィニッシモ」を紹介する。

技術の高さと美しさを強調した限定のスケッチダイヤル

「ブルガリ オクト フィニッシモ オートマチック」は2017年に発表された。マイクロローターを備えた自動巻きムーブメントを搭載し、ケース厚はわずか5.15mmという驚異的な薄さで市場を驚かせた。さらにその2年後の2019年には、クロノグラフにGMT機能を搭載した「ブルガリ オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT」が発表された。こちらもGMT機能付きクロノグラフのカテゴリーにおいて史上最薄ムーブメントを搭載し、大きな話題となった。これにより、ブルガリが時計作りの分野で独自のポジションを確立したことを知らしめた。このスリムで独創的なデザインは、プロダクトクリエイションエグゼクティブディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニが手掛けたものである。

今回紹介するうちの2本は、ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏のフリーハンドスケッチをダイヤルデザインに採用したものである。2024年限定の「オクト フィニッシモ オートマチック スケッチ」のダイヤルには、特徴的なマイクロローター、脱進機、ブリッジ、ルビーなどムーブメントのディテールが描かれている。2022年限定の「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT」にはインデックスやインダイヤルのみならず、ブランドロゴまでも熟練の技により描かれている。

• 

• オクト フィニッシモ オートマチック スケッチ
  2024年　創業140周年限定モデル 280本
  Ref.104163
  機械式マニュファクチュール極薄ムーブメント　自動巻き
  ケース経：40mm　厚さ：5.15mm
  100m防水

サテンポリッシュ仕上げのステンレススティール製ケースとブレスレット。ムーブメントのスケッチを模したサテン仕上げの縦型ブラスロジウム製ダイアル。

• 

• オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT
  2022年　OCTO 10周年限定モデル 200本
  Ref.103673
  機械式マニュファクチュールムーブメント　自動巻き
  ケース経42mm　厚さ6.90mm
  商品の詳細はこちら≫

製造技術ももちろんであるが、見た目の美しさを140年以上追究し続けている「メゾン」として、スケッチから妥協をしないという強いメッセージが込められている。それぞれ限定本数が少ないため、希少性に加え、付加価値が上がっている。

最後の1本は、オークションハウスのフィリップス イン アソシエーション バックス＆ルッソ（Phillips In Association With Bacs & Russo）とのコラボレーションモデルである。こちらは上記で紹介したモデルよりも限定本数が50本と、さらに希少なモデルである。 これまで「オクト フィニッシモ」は建築家や現代アーティストとのコラボレーションでクリエイティブにアレンジされてきた。今回のモデルは、多くの時計の価値を見極めてきたオークションハウスならではの発想で、現代的なケースとブレスレットを備えたオクト フィニッシモにレトロな雰囲気を持たせたダイヤルを組み合わせている。 このモデルは、オクト フィニッシモの特徴の一つである7時位置のスモールセコンドを取り除き、シンメトリーでレトロな雰囲気を醸し出す「セクターダイヤル」を採用している。12時と6時に大きめのアラビア数字を配置し、茶色の背景を露出させるためにくり抜かれた2ピース構造を模倣しているが、実際にはレーザー彫刻された1ピースで作られ、超薄型モデルの唯一のデメリットともいえるダイヤルの奥行きを解消している。さらに、その加工技術により、光の加減でブラック、グレー、ブロンズと色が変化するチャプターリングを楽しむことができる。

• 

• オクト フィニッシモ スペシャルエディション フィリップス・イン・アソシエーション バックス&ルッソ
  2022年限定モデル 50本
  機械式マニュファクチュール極薄ムーブメント　自動巻き
  ケース経：40mm　厚さ：5.15mm
  30m防水
  商品の詳細はこちら≫

超薄型自動巻きムーブメントBVL138にも手を加え、現行より小さなテンプを持つオリジナル（第1世代）のものを搭載し、マイクロローターは巻き上げ効率が改善された最新バージョンを取り入れている。こだわり抜いて作られた限定50本は、狙い通り（？）に付加価値を高めている。