「ノーチラス5712/1A-001」──人気ナンバーワンであり続ける“プチコンプリケーション”の正体

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第34回は、パテック フィリップ「ノーチラス5712/1A-001」を紹介する。
1976年にジェラルド・ジェンタ氏のデザインで発表された「ノーチラス」は、当時2ピース構造のケースを採用し、薄型自動巻きムーブメントを搭載していた。さらに、120mもの防水性能を備え、薄さと防水性を両立させたことが大きな話題となった。
しかしながら、そのケース構造は複雑であり、搭載できるムーブメントが限られていた。そこで、2005年には初めて3ピース構造のケースを採用し、同モデルに複雑機構を搭載することを可能とした。

そして、翌2006年には『ノーチラス誕生30周年』を祝い、複雑機能を搭載したモデルとして、通称「プチコンプリケーション」と呼ばれる「ノーチラス5712/1A-001」などが発表された。

 

  • パテック フィリップ
    ノーチラス プチコンプリケーション
    Ref:5712/1A-001
    ケース径:約40.5mm
    ケース素材:ステンレススチール
    ムーブメント:自動巻

「ノーチラス5712/1A-001」のダイヤルは、黄金比に基づいてアシンメトリーに配置された秒針、パワーリザーブインジケーター、ポインターデイト、ムーンフェイズのサブダイヤルをより美しく際立たせるため、内側から外側にかけて濃くなっていくブルーグラデーションが施されている。

 

 

複雑機構を搭載する自動巻きムーブメントは、本来ローターによって厚みが増してしまう。しかし、「キャリバー240 PS IRM C LU」は、265個のパーツで構成されるうえ、22K製のマイクロローターを採用することで時計本体の厚みを抑えることに成功している。さらに、厚みを抑えられたもう一つの要因として、裏蓋に「はめ込み式」を採用した点が挙げられる。同年に発表された「5711/1A」(カレンダー機能を搭載した3針自動巻きモデル)はねじ込み式の裏蓋を採用し、防水性能の強化を図った。一方、「5712/1A-001」は、はめ込み式の裏蓋を採用することで高さを抑え、コンプリケーションモデルでありながらも、ノーチラス特有の装着感を損なうことなく仕上げられている。

 

 

「ノーチラス5712/1A-001」は惜しまれつつも2024年に生産終了となった。発売された2006年の定価は2,520,000円。生産終了時の定価は7,678,000円。現行モデルとして存在していた当時から入手が困難とされ、高価で取引されていたが、生産終了後の市場では多少の価格変動はあるものの、上昇傾向にある。

 

 

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