プレミア化が進むカルティエの超希少なフォルムウォッチ「クラッシュ」とは?

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第11回は、カルティエ「クラッシュ」の復刻モデルを紹介する。

熱狂に包まれた1960年代のロンドンから生まれたカルティエ「クラッシュ」

カルティエの腕時計の歴史、それはすなわち、“フォルムウォッチの探求の旅”だと言っても過言でない。

カルティエ三代目当主のルイ・カルティエは、1900年代初頭から「サントス」「トノー」を始めとする腕時計の開発に着手しているが、彼が求め描いていた理想のスタイルを明確にしたのは1917年に誕生した不朽の名作「タンク」であることに異論を挟む余地はない。「タンク」の歴代モデルを辿ると、根幹にある戦車からインスピレーション得たというデザインをベースに、その時代のムードに応じたアレンジによって多彩なケースフォルムを展開してきたことがよく分かる。

カルティエの腕時計において“史上最も奇妙なコレクション”として一部の時計マニアに知られているのが、1967年にカルティエ ロンドンから発売された「クラッシュ」である。

1902年に設立されたカルティエ ロンドンは、いわゆる小売店とは異なり、設立当初から工房としての機能を備えていたが、時計に関してはオリジナルのデザインを手掛けることはなかった。潮目が変わったのは、1945年にジャン-ジャック・カルティエが支店の経営を受け継いだ時代であり、それから5年後には彼のイニシャルを「JJC」を冠した独自のラインが展開されていく。

1960年代に入ると、ロンドンは新たな消費主義の時代を迎え、モッズやミニスカート、サイケデリックアートなどに代表される“スウィンギング・ロンドン”と呼ばれるポップカルチャーが台頭した。カルティエ ロンドンはこの時代に呼応するユニークな腕時計を次々と編み出し、つまり「クラッシュ」とはその象徴的な作品なのだと言える。

 

「クラッシュ」の圧倒的な人気を支える1991年製造の世界400本限定モデル

一度見たら忘れることはない極端に湾曲した「クラッシュ」のケースフォルムは、カルティエ ロンドンの人気コレクション「オーバル」を変形することによって生み出された。

ユニーク極まりない左右非対のデザインを機械式時計として設計するために、カルティエの職人たちは試行錯誤を繰り返しながら商品化へと辿り着いた。明らかに量産に不向きであったことから初回に販売されたのはわずか数十本ほどだと推測される。その後は限定モデルとして幾度か復刻されている。

見るからに万人受けをしない奇抜なデザインということもあり、「クラッシュ」の注目度は決して高くはなかったのだが、この数年で状況は一変し、サザビーズのオークションで1967年製のファーストモデルが日本円で1億円近い金額で落札されたことも記憶に新しい。

ここで紹介するのは、アーティストのカニエ・ウェストがSNSで紹介したことで人気が爆発したと噂される1991年製の世界400本限定の復刻モデル。当時の定価を遥かに上回るプレミアム価格からもその人気ぶりが伺い知れるだろう。「クラッシュ」が再評価させるきっかけのひとつになったモデルということもあり、いまや不動の人気を得たアイコンウォッチとなっている。

 

  • カルティエ
    クラッシュ
    Ref. W1506351 (1991年製造)
    18Kイエローゴールドケース
    縦39×横25mm
    手巻き 商品の詳細はこちら≫

 

  • リュウズは「タンク」とほぼ同一のブルーカボションが埋め込まれたデザインを採用。

 

  • ケースバックには、シリアルナンバーのほか、リミテッドナンバーや18Kゴールドの証明が刻印されている。

 

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