パテック・フィリップの歴史に名を刻む存在となった「5180/1G-010 カラトラバ・スケルトン」

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第38回は、パテック・フィリップ「5180/1G-010 カラトラバ・スケルトン」を紹介する。

5180/1G-010「カラトラバ・スケルトン」は、2017年のバーゼルワールドにおいて、名機Cal.240の誕生40周年を記念して発表されたモデルである。今から40年前の1977年、当時のバーゼルフェアでCal.240が初披露され、以降パテック・フィリップの歴史に名を刻む存在となった。

時計産業の危機も信念で未来を切り拓く

1976年、フィリップ・スターン(現名誉会長)がパテック・フィリップ社長に就任しようとしていた時期、スイス時計産業はクォーツの台頭により壊滅的な打撃を受けていた。多くのメーカーがクォーツ時計への事業転換を進め、伝統的な工作機械すら処分していたのである。クォーツは精度と低価格に加え、腕時計に求められる「薄さ」をも容易に実現していた。その中で、スターン家は「機械式こそが真の時計である」と名門ブランドの信念を貫いた。しかし当時、機械式の薄型ムーブメントは手巻き式が主流であり、自動巻きではローターを搭載するため厚みを抑えることに限界があった。

そのような中、ジャガー・ルクルトはセンターローター式で厚さ2.45mmのCal.920を開発し、同タイプのキャリバーはオーデマ・ピゲのロイヤルオークやヴァシュロン・コンスタンタンの222、パテック・フィリップのノーチラスといったスポーツエレガンスモデルに採用された。一方、パテック・フィリップは耐久性を損なわずに薄型化を図るため、マイクロローターを用いた自動巻きムーブメントの開発を選択した。当時、マイクロローターは巻き上げ効率に難があったが、技術部長ジェラール・ベレ氏率いる開発陣の手により問題は克服され、Cal.240が誕生したのである。このCal.240の厚さは2.40mm(現在は耐久性向上のため2.53mm)であり、名称もこの数値に基づく。Cal.240はパテック・フィリップの未来を切り拓く基幹キャリバーとなり、現在も永久カレンダーなど複雑機構のベースとして採用されている。

 

  • パテック・フィリップ
    カラトラバ・スケルトン
    型番:5180/1G-010
    素材:K18WG
    カラー:スケルトンダイヤル
    ムーブメント:自動巻
    付属品:箱・保証書 商品の詳細はこちら≫

 

名機「Cal.240」の誕生40周年を祝うカラトラバ

5180/1G-010は、この歴史的Cal.240を完全にスケルトン化した特別なモデルである。極限まで地板とブリッジをくり抜き、両面から鑑賞できる仕様としたうえで、各パーツにはハンドエングレービングによる精緻な唐草模様を施している。さらに、22K製のマイクロローターにも彫金が入り、パテック・フィリップ・シールが刻印されている。 これらの加工には、伝統的な手作業による約130時間もの工程を要し、スケルトン加工へのオマージュであると同時に、技術と芸術が高度に融合したタイムピースに仕上がっている。

 

搭載されるのは、超薄型自動巻きスケルトンCal.240 SQUであり、その精緻さと芸術性はクラフツマンシップの結晶といえる。

5180/1G-010は、180年以上続くパテック・フィリップの哲学と、職人技とブランド哲学を体現する一本である。

 

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