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カルティエ「パシャ」:歴史と黄金期のクロノグラフ

ヴィンテージから現行モデルまで幅広い時計を取り揃えるリベロが注目する新旧のレアモデルを紹介する連載コラム。第44回は、カルティエ「パシャ」を紹介する。

誕生の背景と防水時計のルーツ

1930年代、モロッコの古都マラケシュのパシャ(有力者)であったタミ・エル・グラウィが、ルイ・カルティエに「水泳中にも使用できる腕時計」を依頼したことが、カルティエにおける防水時計開発の端緒とされる。当時のモデルは角形の「タンク・エタンシュ(気密・防水の意)」であったとされるが、詳細な資料は現存していない。

その後、1943年に「タンク・エタンシュ」の技術を応用し、ラウンドケースで1本のみ製作されたモデルが、現代の「パシャ」の直接的な原型と言われている。この希少なプロトタイプには、すでに風防を保護するグリッドや、リューズを守るプロテクターが備わっていた。

 

  • カルティエ
    パシャ 38mm クロノグラフ
    W3003851 ファーストモデル
    ケース素材: イエローゴールド
    ケース径:約38mm
    ムーブメント:自動巻
    付属品:修理明細書(2024/11)

 

ジェラルド・ジェンタによる「パシャ」コレクションの誕生

1985年、カルティエは時計デザインの巨匠ジェラルド・ジェンタに協力を依頼。1943年のラウンドケースモデルをモチーフとした「パシャ」コレクションを発表した。

本作は1990年代に製造された38mm径のクロノグラフモデルである。かつての「デカ厚」ブームが終焉を迎えた現代において、38mmというサイズ感は、むしろ「ちょうどいい」絶妙なバランスとして再評価されている。

 

デザインと機能の融合

アイボリーカラーのダイヤルにローマ数字とローザンジュ針を配し、ビス固定式の「ヴァンドーム・ラグ」やサファイアカボション付のリューズプロテクターといった伝統的意匠を継承しつつ、回転ベゼルを含むケース全体に18金イエローゴールドを採用した本機は、金無垢素材と初期パシャ・クロノグラフの組み合わせがその希少性をより一層高めている。

 

伝説的ムーブメント「Cal.205」

搭載されているムーブメント「Cal.205」は、オーデマ ピゲの「ロイヤルオーク クロノグラフ」等にも採用された名機、フレデリック・ピゲ Cal.1185をベースとしている。Cal.1185は、ハイエンドモデルのみに搭載される自動巻きコラムホイール式の高級クロノグラフ機だ。サファイアクリスタルのケースバックからは、美しいペルラージュ装飾やコート・ド・ジュネーブ仕上げを鑑賞することができる。

18金イエローゴールドの輝きが、初期パシャ・クロノグラフとしての稀少性を一段と際立たせており、その古典的な気品と38mmという現代でも通用するサイズ感が同居する佇まいは、まさに「完成されたバランス」を誇る至高の一本と言えるだろう。

 

 

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